薬膳の話をすると、
よく聞かれることがあります。
「私には何を食べたらいいですか?」
薬膳を学び始めた頃の私も、
同じことを思っていました。
冷えにはこれ。
疲れにはこれ。
むくみにはこれ。
でもね、
学べば学ぶほど、
薬膳にはひとつの答えがないことを知りました。
例えば、
同じ「疲れやすい」という悩みでも、
・頑張りすぎてエネルギー不足の人
・眠りが浅くて回復できていない人
・考えすぎて頭が休まらない人
・血が不足している人
実は、その背景は人によって違います。
だから、
同じ不調でも、
必要な食材や養生法は変わるのです。
体質とは、その人らしい傾向
薬膳では、
その人の持っている傾向を
「体質」と考えます。
体質というと、
生まれつき変えられないもののように聞こえるかもしれません。
でも、
薬膳でいう体質は少し違います。
季節
年齢
生活習慣
ストレス
睡眠
食事
そんな毎日の積み重ねで、
体質は少しずつ変化していきます。
だから、
「今の体質」
を知ることが大切なのです。
体質は良い悪いではありません
ここも、
とても大切なポイントです。
薬膳を学び始めると、
つい、
「私はダメなんだ」
「体質が悪いんだ」
と思ってしまう方もいます。
でも、
体質に良い悪いはありません。
冷えやすい人もいれば、
熱がこもりやすい人もいる。
むくみやすい人もいれば、
乾燥しやすい人もいる。
それは、
その人の個性のようなもの。
まずは、
今の自分を知ること。
そこから整えは始まります。
不調は身体からのメッセージ
以前の私は、
不調が出るたびに、
「また具合が悪い」
と思っていました。
でも、
薬膳を学んでからは、
少し見方が変わりました。
身体は、
突然不調になるわけではありません。
疲れたよ
休みたいよ
冷えているよ
無理しているよ
そんな小さなサインを、
実はずっと出してくれています。
だから私は、
不調は敵ではなく、
身体からの優しいお知らせだと思っています。
自分を知ることは、自分を大切にすること
薬膳は、
食材を覚えることではありません。
何を食べるかの前に、
まず、
今の自分を知ること。
最近疲れていないかな?
無理していないかな?
本当は何が食べたいのかな?
そんなふうに、
自分のこころと身体に問いかけること。
それが、
薬膳の大切な第一歩です。
そして、
体質を知ることは、
自分を責めるためではなく、
自分を大切にするため。
今の私に必要なものは何だろう?
そんな視点で自分を見つめられるようになると、
薬膳はぐっと身近になります。
次回は、
薬膳の体質を見る時の基本となる
「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」
についてお話しします。